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【あかり】部屋を聖域に変える、モロッコの光の彫刻
プレゼントを探していたときのこと。 何軒かまわりましたがピッと来るものがなく、またにしようかと改札に向かって歩いていたら、キラキラひかるポップアップストアで思わず足が止まりました。そこにあったのは、異国の情緒を纏いながらも、どこか懐かしさを感じさせる美しいランプたち。 それは「谷口ぴかぴか商店」さんが扱う、モロッコの伝統工芸による照明です。 Image by Ray Lee from Unsplash モロッコランプの真髄は、そのストイックなまでの製作工程にあります。素材となる銅や真鍮の板を熱して叩き(鍛金)、タガネというノミのような道具や糸鋸で、一つひとつ緻密な模様を彫り出していく。専門的な視点で見れば、これは単なる照明器具ではなく、光を通すための金属彫刻と呼ぶのがふさわしい逸品です。 特筆すべきは、壁や天井に映し出される影の美しさ。 間接照明による適度な陰影は、空間に奥行きを与え、人の副交感神経を優位にするリラックス効果があると言われています。緻密な透かし彫りから漏れる光が、殺風景な四角い部屋を、一瞬にして幻想的な聖域へと変えてしまう。まさに
3月24日読了時間: 2分


おフロのソレ、ホントにいります?
浴室の花形スター――窓・鏡・棚・水栓下のカウンター。 新築やリフォームの際、何の疑いもなく「当たり前」に追加しているこれらのアクセサリーですが、実はあえて「つけない」という選択肢があるのをご存知でしょうか。 特にお掃除が嫌いな方、家事を少しでも減らしたい方には、一考の価値ありです。 ◆I💛Sunshine! 何て明るい素敵なおフロ。小鳥のさえずりをBGMに優雅な朝風呂タイムなんて、サイコーに気持ち良いことこの上なし! しかし、シャワーだけでパパパッと済ませる方や、日が落ちてからゆっくりとおフロに入る方には窓のアリガタさよりも、掃除の大変さの方が上回ると思われるのがこの窓。おそるべし刺客です。 朝風呂ゆっくり派の方は別として、本当につけたほうがよいのか?いや、つけるべきなのか、よおく考えてみましょう。 ◆「鏡よ鏡、世界で一番美しいのはだあれ?」 Image by Sarah Penney from Unsplash 現実は、湯気で真っ白に曇り、頑固な水垢(ウロコ)モンスターに悩まされる日々。 使用のたびに一滴残らず拭き上げたり、研磨剤入りのスポン
3月17日読了時間: 4分


引き渡しは「お祭り」じゃない?
後悔しないための大人の最終チェック 皆様、こんにちは。 春の足音が聞こえてくると、インテリアの妄想も膨らみますね。 さて、3月といえば住宅業界は一年で最も慌ただしい季節。 「決算」と「新生活」が重なり、現場はまるで戦場です。この時期に引渡しを受ける皆様へ、少しだけ、厳しいけれど愛のあるプロの視点をお届けします。 「お祝いムード」に流されない勇気を 引渡し日は、テープカットや花束で華やかな雰囲気になることも多いもの。ですが、ここで舞い上がってはいけません。 繁忙期の現場は、職人さんの確保が難しく、工期が極限までタイトになります。結果として、壁の入隅の隙間や床の傷といった表面的な不具合だけでなく、本来あるべき設備の説明が漏れるなど、ソフト面のミスも起きがちです。 内覧会(竣工検査)はアラ探しではなく、長く愛でるための儀式です。 入居時の状態記録は重要です。気になる点については、その場で写真に収め、付箋を貼ってもらいましょう。それが結果的に、施工会社との良好な関係を長く保つ秘訣です。 引き渡し前に是正をしてもらおう 「時間がないので、とりあえず引き渡し
3月9日読了時間: 3分


理想のリビング「10年後も愛せる場所」にするために
マイホーム計画において、理想のリビングは家づくりの「メインディッシュ」。 皆様、フルコースを組み立てるかのような熱量で挑まれますが、実は「今」の家族構成というスパイスだけで味付けをしてしまうと、数年後に「なんだか胃もたれが……」なんて違和感が出ることも。 10年後も「おかわり!」と言いたくなるような、リビング作りのレシピを整理してみましょう。 ライフスタイルは「動詞」で解剖する! 子供がいるから収納を!という思考は、いわば定型文。一歩踏み込んで、誰が何時間、そこで何をするか?を書き出してみてください。 床でのんびりゴロゴロする派 高い断熱性と、思わず頬ずりしたくなる無垢材を。 椅子で優雅にまったりする派 イージーチェアやソファーの居場所をしっかり確保。そして大事なのが「お籠り感」。 広い空間の真ん中に椅子を置くより、壁を背にしたり、サイドテーブルや低めのパーテーションで緩やかに囲ったりすることで、心理的な安全性(パーソナルスペース)が守られ、より深くまったりできます。 趣味(ものづくり)に没頭する派 「作る」軸なら、作業を中断しても道具を出しっぱ
3月2日読了時間: 4分


理想のマイホーム「1mmの狂い」は許されない?
理想のマイホームに横たわる境界線 Image by Greg Johnson from Unsplash 人生最大のプロジェクト、理想のマイホームづくり。お施主様の熱意が太陽だとしたら、現場はさながら巨大なキャンバスです。しかし、完成間際になって「あれ? 想像と違う……」という小さな違和感が芽生えると、それは一気に巨大なトルネードへと急成長してしまいます。 「仕上がりに納得がいかないんです。だから、直してもらうのが当然ですよね?」 よくご相談いただく切実なパッション。そのお気持ち、痛いほど分かります。ですが、ここでプロの視点から冷静なアドバイスを少々。実は、「仕上がりの満足度」と「直すべき不備」の間には、目に見えない溝が横たわっているのです。 住宅の命に関わる「レッドゾーン」 Image by Daniel Herron from Unsplash まず、個人の好みやこだわりを横に置いて、施工会社がマッハの速さで是正しなければならない領域があります。これは住宅の生存本能、つまり安全・安心の最低ラインです。 例えば、図面と異なる配筋のピッチ、重ね継
2月23日読了時間: 4分


家具好きの「あきらめない」インテリア術
「コンパクトなマイホームで、いかに開放感を作るか」 これは、インテリアコーディネーターにとっても腕の見せ所であり、永遠のテーマでもあります。 よくあるアドバイスは「モノを極力減らしましょう」「ミニマリストになりましょう」というもの。でも、インテリア好きの私たちがそれを言っちゃあ、おしまいですよね。 お気に入りの椅子、思い出の詰まったキャビネット。大好きな家具に囲まれて暮らしたい。その気持ちをガマンせずに、部屋を広く見せる方法。 その秘訣は、ズバリ、視線の抜け道を作ることにあるんです。 圧迫感の正体は「背もたれ」にあり? Image by Costa Live from Unsplash 例えば、キッチンとソファの距離が近いLDKを想像してみてください。 ここに背の高いハイバックチェアを置くと、視線がそこでバシッと遮断されてしまいます。まるで、リビングの中に小さな「壁」を作っているようなもの。オフィスのパーティションを思い浮かべると、その圧迫感の理由がよく分かりますよね。 これを、背もたれがテーブルから少し覗く程度の一般的な高さに変えるだけで、景色
2月16日読了時間: 3分


家づくりに「鉄のカーテン」が必要な理由【前編】
理想の住まいを形にするお手伝いをしていると、残念ながら「施工中のトラブル」という、悲鳴に近いご相談をいただくことが後を絶ちません。せっかくの家づくりが、なぜ途中で暗雲に包まれてしまうのか。その原因のひとつに、ハウスメーカーやゼネコンによく見られる「設計と施工が分離されていない」構造にあると私は考えています。 ◆現場に引かれるべき聖域の境界線「鉄のカーテン」 Image by Daria L. from Unsplash 昔、施工のセンセイが「設計と工事の間には、鉄のカーテンが引かれていなければならない」と切々と説かれたことが、今も頭から離れません。「仲が悪いほうがいい」と言っているように聞こえるかもしれませんが、これはプロの世界における健全な緊張感を指す言葉です。 この境界が曖昧になると、現場ではどうしても施工のしやすさが優先されがちになります。結果として、顧客の切実な希望や、設計者が本来意図していた繊細なディテールが、現場の都合という大きな波に飲み込まれてしまうのです。 例えば、洋服のオーダーメイド。仕立て屋さんがこのデザインは縫いにくいから、
1月19日読了時間: 3分


【家づくりその前に】CMの魔法と現実
テレビCMって、ある意味「罪」ですよね(笑)。 素敵なタレントさんが微笑むと、そのハウスメーカーも、建つ家も、すべてが完璧に見えてしまう。 でも、私たちは少し冷静になる必要があります。 なぜなら、どれほど大手でも、実際に現場で作業をするのは「人」だからです。 人が造るものに、100%の完璧はありません。 よくご相談の中で、「大手だからあまり心配してないんですけど」「ハウスメーカー特有のミスについても教えてほしい」と聞かれることがあります。 その信頼感こそがブランド力なのだと思いますが、実は少し違います。 残念ながら、大手ハウスメーカーだろうが地場の工務店だろうが、不具合の発生頻度に大きな関係はありません。また、 「ここ特有」といった特別なミスが存在するわけでもないのです。 どこで建てようとも、大なり小なりヒューマンエラーは起きるもの。 それを前提として、どうすればリスクを減らせるか?に対策を講じることが重要です。 家づくり・ご提案したい「転ばぬ先の杖」 1. 契約のプロによるチェック 契約書は、トラブルが起きたときの唯一のルールブック。不動産に
2025年12月9日読了時間: 2分


家づくりの落とし穴にご用心! ~パートナー選びの前に知るべき「施主の準備」3つの罠~
家づくりを考え始めた皆様。多くの方が「どこに頼むか」問題(オートクチュールか、仕立て屋か、ブランド服か…)で頭を悩ませておられます。しかし、その悩み方自体が、実は最初の「罠」かも?? どんなに素晴らしいパートナー(設計事務所、工務店、ハウスメーカー)も、施主であるあなたの準備が整っていなければ、その真価は発揮されません。 今回は、依頼先探しの前に、施主様ご自身が陥りがちな家づくりの落とし穴・準備不足の3つの罠についてお話しします。 罠①:「理想のLDK」から始めてしまう罠 Image by Bailey Alexander from Unsplash 雑誌の切り抜きやSNSで見かけた「素敵なアイランドキッチン」「広々としたリビング」。そうした欲しいモノのリストアップから家づくりを始めてしまうのは、危険な兆候です。そのLDK、本当にあなたの家族の幸せに直結していますか? しばし待たれ~い! モノももちろん大事ですが、家づくりはまず「コト(暮らし)」から考えましょう。 「休日の朝、家族でどう過ごしたいか?」 「10年後、子供が巣立つ(かもしれない)
2025年11月24日読了時間: 3分


マイホームを建てる時・「誰に頼むか」問題、出発点が危険かも⁈
マイホームを建てる時、必ず直面する「最初の壁」。それが、「どこに頼むか」問題です。 「設計事務所はオートクチュール」 「工務店は仕立て屋」 「ハウスメーカーはブランド服」。 しかし、その「分類」や「イメージ」から入ると、家づくりの本質を見失う「罠」に陥ることがあります。今回は、その危険な「視点のズレ」を3つをお話します。 ズレ①:「デザイン」か「価格」かの二択で考えてしまう 「設計事務所はデザイン料が高い」「ハウスメーカーは安心価格」。皆様、その二択で議論を始めがちですが、その前に、全社共通でクリアすべき「土台」があります。 それは 「住宅性能」 です。 せっかくの新築なのに、寒い脱衣所で血圧がジェットコースターになるような家を、今この時代に建ててはいけません。 国土交通省もようやく重い腰を上げ、2025年から新築住宅における「断熱等級4」の適合が義務化されました。しかし、等級4は「最低基準」はまだ甘い。快適な暮らし(と光熱費の節約)を目指すなら「等級5」以上、将来を見越すなら「等級6以上」を標準仕様として提案してくれるパートナーを探すべきです。
2025年11月17日読了時間: 5分


人生の壁となるのは、そう、階段!
狭小3階建て、理想と現実 週末の新聞に折り込まれる、光沢のある住宅チラシ。 「都心」「駅近」「夢の3LDK」…その魅力的な響きに、心ときめかせたことはありませんか? 私自身もまさにその賃貸物件に暮らす一人ですが、その経験から、専門家としてあえて申し上げたい。その美しい間取り図、本当に「暮らしやすい家」の設計図でしょうか? 土地の制約から、上へ上へと空間を求める都市の住まい。しかし、その結果として生まれる間取りには、日々の暮らしに静かに、しかし確実にストレスを蓄積させる「罠」が潜んでいることも少なくないのです。 罠その1:日常が「プチ登山」と化す家事動線 よく見かけるプラン。1階に洗濯機と浴室、2階にLDK、3階に寝室と物干しバルコニー。3階なんて太陽がさんさん輝き、冬でもあっという間に洗濯物が乾きそうです。 一見効率的に思えますが、これは毎日の洗濯が「濡れて重くなった洗濯物を持っての2フロア登山」になることを意味します。掃除機をかけるのもフロアをまたぐ一大イベントに。 これが何十年も続くのです。家事を担う方々の労力を、設計者は本当に想像したので
2025年10月27日読了時間: 3分


キッチンの吊り戸棚、その「高さ」に物申す。
キッチンの吊り戸棚(ウォールキャビネット) 「どうも高すぎて使いにくい…」と感じたことはありませんか? その感覚、専門家の我々も深く頷くところですが、実は、あの高さには理由があります。作業中に頭をぶつけないスペースの確保や、コンロからの距離を定めた消防法の観点など、安全のための配慮でもあるのです。 しかし、その結果として「天空の城」と化したキャビネット上段が、年に一度使うかどうかの頂き物や調理器具、なぜか増え続けるキャラクター皿の聖域(サンクチュアリ)になっているご家庭も少なくないのではないでしょうか。 踏み台を使うといっても、乗り降り面倒、ちょっとでもバランス崩したら転倒する危険もあっておのずと出番も少なくなってくる悪循環…… そこで、こんなご提案はいかがでしょうか 天空の城の攻略法? 1. 最新技術で「お迎え」する 「棚が降りてくれば良いのに」という夢、すでに現実のものです。LIXILの「 オートダウンウォール 」やパナソニックの「 ソフトダウンウォール 」に代表される昇降式キャビネットは、ボタン一つ、あるいは軽い力で棚が目の前まで降りてきま
2025年10月13日読了時間: 3分
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