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キッチンの吊り戸棚、その「高さ」に物申す。


キッチンのウォールキャビネット

「どうも高すぎて使いにくい…」と感じたことはありませんか?

その感覚、専門家の我々も深く頷くところですが、実は、あの高さには理由があります。作業中に頭をぶつけないスペースの確保や、コンロからの距離を定めた消防法の観点など、安全のための配慮でもあるのです。


しかし、その結果として「天空の城」と化したキャビネット上段が、年に一度使うかどうかの頂き物や調理器具、なぜか増え続けるキャラクター皿の聖域(サンクチュアリ)になっているご家庭も少なくないのではないでしょうか。 踏み台を使うといっても、乗り降り面倒、ちょっとでもバランス崩したら転倒する危険もあっておのずと出番も少なくなってくる悪循環……

そこで、こんなご提案はいかがでしょうか



天空の城の攻略法?


1. 最新技術で「お迎え」する

「棚が降りてくれば良いのに」という夢、すでに現実のものです。LIXILの「オートダウンウォール」やパナソニックの「ソフトダウンウォール」に代表される昇降式キャビネットは、ボタン一つ、あるいは軽い力で棚が目の前まで降りてきます。まるで魔法のように、調理中のストレスを劇的に減らしてくれるでしょう。


2.「魅せる」ギャラリーへと発想転換

もし吊り戸棚を設置するなら、発想を変えてみてはいかがでしょうか。 普段使いの道具は手の届く範囲に収め、上段は「魅せる」ためのギャラリーと割り切るのです。お気に入りの美しい器やグリーンを飾れば、キッチンは単なる作業場から、自分らしさを表現する素敵な空間へ早変わりします。

魅せるキッチン
Image by Clay Banks from Unsplash

3. 「なくす」という、最も贅沢な選択

収納が減ることを恐れず、思い切って吊り戸棚を「なくす」選択はいかがでしょう。視界を遮るものがなくなるだけで、キッチンは驚くほど開放的な空間に生まれ変わります。リビングにいるご家族との会話も弾み、コストダウンにも繋がる、実に合理的な一手です。

吊り戸がないキッチン
Image by Sven Brandsma from Unsplash


  1. 寸法の工夫で「賢く」近づける

大掛かりな装置や「なくす」勇気までは…という方に向けた、実に堅実な一手です。それは、奥行きの浅いキャビネットを選び、設置高を少しだけ下げるという工夫。

圧迫感を軽減しつつ、最上段へのアクセス性を格段に向上させます。この“ほんの少し”の寸法調整が、日々の「使いずらい!」という小さなストレスから、解放してくれるでしょう。


(実はこれ、昭和の住宅設計でもよく行われていた良い手法なのですが、いつの間にか吊り戸の奥行が深く高い位置に取り付けられるのがスタンダードになってしまいました。日頃キッチンを使う人が考えたのかしら?)

奥行浅め低い吊り戸のキッチン
Image by Cat Han from Unsplash

まとめ

キッチンに求めるものは、収納力?作業効率?デザイン?それとも家族との繋がりでしょうか。望むものは人それぞれ。完璧な正解はありません。

適切な収納計画には、日常使うものを見定め、収納したいもの・量をしっかり把握して検討すること重要です。

ご自分のライフスタイルに寄り添う最高のキッチンを、ぜひ見つけてくださいね。


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